Outlook 2010 から Outlook.com への移行 (2)

のらりくらりやろうと思っていたら、MXレコード更新の時点で「こいつはすばやくやらないと!!」って状態になってしまったので、本腰を入れることに :-)
とりあえず、結論としては「できました」。


手順1:
あらかじめ、Outlook.comのアカウント(正確にはマイクロソフトアカウント)を取っておく。

Outlook.com サインイン

現在は、自分のメールアドレスで直接アカウントを生成できないようだ。一旦適当なアカウント名で取得し、「メールアドレスの更新」で、ターゲットとなるメールアドレスに変更する。その際、自分のメールアドレスに確認メールが送信されるので、現行のメールサーバからメールを確認する必要がある。


変更が完了したら、念のためサインインして確認する。
メッセンジャーなどのLiveクライアントを使用している場合は、それらも再度サインインし直しておくこと。アカウントは”Windows Live ID Sign-in Assistant”サービスで管理されており、移行前と後の混在状態だと、思わぬ問題が発生する可能性がある。

※重要
以降の手順を実施する前に、必ずドメインに含まれるすべての現存メールアドレスのアカウントで、Outlook.comのアカウントを取得すること。上記のように、直接自分のメールアドレスでアカウントを取得出来なくなっているので、後からメールアドレスを変更しようとしても「鶏と卵」状態になってハマる。


手順2:
Live.comのドメイン管理画面にアクセスし、メールドメイン管理委譲の手続きを行う。

Windows Live アドミン センター

「www」とか先頭に書いてあるが、気にするな :-)

ここで割り当てるドメイン管理者は、以下の設定を管理するためのアカウントであって、メールアドレスとは直接関係はない。

これでOutlook.com側は準備出来たので、ドメイン管理側のレコードを修正する。うちでは、Dyn.incを使っているので、以下のような管理画面でMXレコードとTXTレコードを指示通りに変更する(TTLはわざと600にしてある)。

この後、ドメイン管理画面の「更新」をクリックし、Outlook.com側でも変更が認識出来たことを確認する。
これで、すでにメールはOutlook.com側に配信されているはずだ。

Outlook.comにメールアドレスのアカウントでサインインし、メールの送受信が出来ることを確認する。
ここまでで、もっとも懸念していた技術的な課題はクリア。後は既存のメールデータの移行だ。

つづく。

Outlook 2010 から Outlook.com への移行 (1)

重いネタだが、いつかは取り掛からなければならないと思っていた。

現在はOutlook 2010を個人メールアドレス(IMAP4/NetBSD)と外部プロバイダ(POP3)で使っている。
もともとはExchangeでやっていたのだが、管理が大変過ぎて諦めた(SIPがTCPベースでオワタ感があったのも理由だが)。

で、最近ThinkPad X201sを購入した。LAN接続している時やWifi経由でVPNしている場合は良いのだが、こういう場合にWindowsドメイン参加がネックになってしまう。おまけに(非推奨を承知で)Outlook.pstをユーザーフォルダに置き、これをADのフォルダリダイレクトで共有フォルダに入れているため、ネットワーク接続が切れていたり不安定だったリすると、使い物にならない(壊れてしまう恐怖もある)。

そこで、メールについては、フロントエンドをOutlook 2010で使うにしても、何かクラウドソリューションに移行する必要があると、常々考えていた。VPSのようなサービスでIMAP4でもいいわけだが、自由な時間がどんどん減っているので、(金を払っても)SaaSだろうかとも考えていた。

一番候補に挙がったのはOffice360だが、実際、何も下調べはしていないので、満足できるかどうかはわからない。
そうこうしているうちに、件のOutlook.comが立ち上がった。とりあえず、アカウント名で辛酸を舐めるので、サインアップだけはした。

Gmailのおかげか、昔なら「超ニッチ」と思われていた技術的な課題は、問題なくいけそうだ。

・ネイティブクライアントからの接続。IMAP4やPOP3でアカウントにアクセス。今や当たり前の機能。
 IMAP4に入れ込んでいるわけではないので、もっとタイトに接続できる方法があるなら、なおの事よい。
 Outlook 2010向けにコネクタがあるかな?
・外部プロバイダからのメール取り込み機能。昔風に言うなら、fetchmailもどきか。
 これで、度々認証に失敗するぐうたらな某GM○に直接つながなくて済みそうだ。
・自前ドメインのネームサーバーにMXを指定してOutlook.comに取り込ませる。
 これはまだよくわからない。現状のIMAP4は自前ドメインで、自前サーバなので、これが出来ないとネタとしてはボツになる。Gmailでは出来る?

Gmailでやったら?と言われそうだが、個人的に情報の一極集中に良い思いがないのと、Googleが欲しいのはメールデータであることははっきりしているので、避けようと思う。

#加工するにしてもしないにしても、Googleの収入源はほとんど「情報」であり、それをネタに上場しているから自明(行動はほとんど確信犯だし)。
#MSももちろん上場企業だが、MSは今のところは情報だけが収入源ではない。情報収集が0とは思わないが、プロジェクトの(情報吸い上げの)本気度も、自ずと違ってくるだろう。
#どうしても嫌になったらOffice 365に移行すればいい。どのみち、絶対的な無償なんて存在しない。

さっそく判明した問題が一点。Office Outlookラインからは、今のところ直接メールデータを移行する手段がない。Outlook Express・Windowsメール・Liveメールからは、プラグイン導入で移行出来るようだ。別のルートを探さなければ…